同じ土地の同じ地盤の上に立ち、同じ地震動を受けても、作用する力すなわち地震動入力は、建築自体の特性によってたいへん違う。このように自分自身の性質が自分の受ける力に関与する点が、たとえば風に対する耐風設計などとは根本的に違う耐震設計の特色である。だから、建築の構造を木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などに分類して、それぞれ設計震度に幅をもたせてあるのは、方向としては正しい。しかし単に鉄筋コンクリート造といった大まかな分類では、決して構造物としての特性を的確に表わしていることにはならない。
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たとえば同じ鉄筋コンクリート造でも四階建てのアパートとて一階建てのビルとでは特性は大違いで、特に高い建築が続々と建てられる時代になると、こういった単純な分類では、もはや不十分なことは、誰の目にも明らかであろう。問題は建築の高さばかりではない。戦前の鉄筋コンクリート建築には、形はだいたい真四角で、内部は壁で整然と区切られている、といったほぼ一定のスタイルがあった。設計用の震度を〇・二と決めたこと自体が一つの経験則なのであり、その根底には建築のスタイルはほぼこういったものだという暗黙の仮定があったに違いない。ところが終戦後は、戦前に比べて、建築の形も様式もたいへん多種多様になってきた結果、単に鉄筋コンクリート造といった大まかな分類ではもはや間に合わなくなって、もっと個別に建築の特性を評価する指標が必要となってきたのである。