私が勤める大手建設会社はゼネコン(総合建設業)と呼ばれています。しかし、ゼネコンだけが建設業者のすべてでもないし、ゼネコンについて何か書いただけでは建設業を書いたことにはならないことを、ここで強調しておきたいのです。一九九二年の統計で建設省から許可を得ている建設業者は五十二万二千四百五十社を数えていますが、このうち資本金五百万以下が三十二万千八百十七社と圧倒的多数を占め、一〜十億は三千八百四社、十億以上となるとわずか千百七十一社しかありません。
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資本金一億円以下の中小企業がほとんど、しかも、その多くが大手の下請け、孫請けとして仕事をしている重層構造が建設業界の特徴です。一言、ゼネコンと言うとき、ゼネコンの下で仕事をする下請け、孫請けの存在を無視できないはずなのに、とかく彼らの存在が無視されがちなのはなぜか。建前だけで建設業界を語ろうとすると、こういう疑問に答えることができないのです。