「日本エレベーター協会」によれば、六万四千台は「地震時管制運転装置」の『低』が作動し、最上階に停止し、運転休止に至ったのだという。「閉じ込め」の七八台のなかで七三台には地震時管制運転装置がついていた。にもかかわらず、最上階にたどりつけずに途中で宙吊り状態になった。重要なのはエレベーターにつけられた地震時管制運転装置が正常に作動するかどうかだ。「エレベーターの耐震性のチェック」を中央区は推奨する。大手設計会社の構造設計者の話では、建物の高さで地震の「揺れ」は異なるという。
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ひと口に超高層といっても高さで違ってくる。モノが転倒する目安は「二五〇ガル(一ガルは一秒に一センチメートル毎秒の加速度の大きさごといわれる。二五〇ガルでキャスター付のコピー機がドドーッと押し寄せる。仮に「震度六強」の地震で地面が「五〇〇ガル」で揺れたとすると「高さ六〇メートル(一〇階のビルなら、上ほど揺れは激しく、最上階では「七〇〇ガル」が予想される。「ピアノが走りだす」可能性がある。「高さ一〇〇メートル(三〇階)」の建物では低層も揺れる」でこれが「高さ一五〇メートル(五〇階)」になると低層から中層にかけて揺れは少なくなり、上層、最上階で「四〇〇〜五〇〇ガル」と地上の揺れに近づく。免震構造は地震力を吸収するが、縦揺れには弱いともいわれる。やっかいなのは、数十秒間隔の「長周期地震動」だ。これは地震の揺れが遠く離れた高層建築物の上層で増幅される現象をさす。震源地から離れていても被害が生じる。〇四年の新潟県中越地震の長周期地震動で、震度三だった東京港区の六本木ヒルズで六台のエレベーターが損傷した。長周期地震動についてはメカニズムの解明が急がれる。いずれにしても、エレベーターの耐震性向上は必須だ。日本エレベーター協会は、〇五年に呼止した六万四千台の復旧に丸一日要した反省から、保守員のローテーションを見直した。従来は、ひとつのビルで全部のエレベーターを復旧させてから他へ回っていたが今後はビル、一台ずつ動くようにして素早く移動するという。一台でも動くようになれば、管理組合が非常電源で運行をコントロールする。自助と公助のつなぎ目にも気を配っておく必要があおるだろう。